
清風りちあ氏 シナリオ感想Ⅰ
「ほのぼの系のシナリオが好みなら」と勧めてもらったのが、「犬の散歩代行」でした。
雰囲気や登場人物たちの会話に引き込まれ、公開されている作品を一気に遊んでしまいました。
どの作品もほのぼのとした雰囲気で、さまざまなクーポンに対応した会話や分岐があります。
何度遊んでも新しい反応を見つけられ、登場人物たちのつながりも楽しめます。
清風りちあ氏のサイト:もやしちゃづけ
ミューズの寄合所 ゴブリンゴの森 魔術師の引越補助 たずねびと 紅葉をひと狩り親父さんを探せ! 石像回収の依頼 犬の散歩代行 教会裏手にて うちの王子知りませんか?
112.113)ミューズの給湯室.ミューズの寄合所
歌や踊り、楽器演奏などの技能を購入できる店。
「ミューズの給湯室」から増築して新装開店した「ミューズの寄合所」では、戦いに疲れた冒険者に、芸術や音楽による癒やしを提供している。
初めて訪れた時は、お試しで「休日」を購入した。
技能の効果も気になるが、それ以上に「休日」という名前の響きがいい。戦い続ける冒険者にも、たまには休みが必要だろう。
増築した寄合所では、購入できる技能が増えていた。
歌や踊りだけでなく、楽器演奏や指揮の技能まで揃っている。6人全員に別々の技能を持たせれば、冒険者楽団を結成できそうだ。
技能の説明は、ついカードを右クリックして確認して終わる。
ただ、ここの技能については、店の人物から直接語ってもらった方が楽しい。それぞれの芸術や技術が、どのようなものなのかを聞いていると、技能を使う冒険者の姿まで想像したくなる。
いずれは「ミューズの寄合所」で購入した技能だけを使うパーティーを作り、冒険させてみたいと思っている。
戦闘に強いかどうかは分からないが、歌い、踊り、演奏しながら旅をする6人組は、かなり楽しそうだ。
プレイ記録:2024年
114)ゴブリンゴの森
町外れの森に、ゴブリンゴと思しき木が現れた。夜間に実を落として悪臭を放ち、通りすがりの農民を脅かしたり、害獣の餌場になったりと、大きな被害が出ているらしい。
内容としては「ゴブリンの洞窟」の改変シナリオだが、洞窟が森に変わるだけで印象がかなり違う。
しかも、敵はゴブリンではなくゴブリンゴ。名前の時点でじわじわくる。
見張りのように配置されているゴブリンゴを炎攻撃すると「焼きゴブリンゴ」になり、食べると抵抗力が上がる。
ホブゴブリンゴも焼いて食べられるし、ゴブリンゴの木からもぎ取ったゴブリンゴはテイクアウトできる。さらに、炎攻撃で倒したからか、焼きゴブリンゴまで持ち帰ることができた。
マップや流れは見覚えがあるのに、洞窟か森か、ゴブリンか果物かで、遊んだ時の印象がまるで変わる。
生ゴブリンゴは食べ物なのか、魔物なのか。
焼けば食べられるから食材なのかもしれないが、新鮮な実なら動くという時点で、やはり地味にホラーである。
プレイ記録:2023~2024年
115)魔術師の引越補助
魔術師学連所属のアルウィン・メイナードから、引越しの荷物運搬を頼まれる。
彼は片付けをしただけで酷い筋肉痛に襲われてしまったらしく、気は良いが少し抜けたところのある友人ハーヴェイと共に、現地で荷物を整理することになる。
引越しの手伝いという、冒険者の仕事としては少し珍しい依頼。
部屋の中の荷物を調べ、何を依頼人の荷物袋に入れ、何を自分たちの荷物袋に入れるかを選んでいく。勝手に鍵を開けて日記を読んだり、部屋に置かれた品々を確認したりするうちに、依頼人の人柄が少しずつ見えてくるのが楽しい。
また、アルウィンの荷物に対するハーヴェイの反応も同時に楽しめる。中でも「魔法の瞳」を使うと、妙にハイテンションなハーヴェイを見ることができるので、【隠者の庵】に寄ってからこの依頼を受けるべきだろう。
「魔法の瞳」を意識するあまり、「盗賊の手」などの盗む技能を持ち忘れて悔しい思いをすることが多々ある。
冒険者の荷物袋は、「物を際限なく入れられて、入れた時のまま状態を保てる普通の袋」である。
「普通の袋」と呼ぶには首を傾げてしまうが、実際、棺桶や箒を何本も収納できることを考えると、妙に納得してしまう。作中で荷物袋に言及しているシナリオに出会ったのは、これが初めてだった。
「魔法の鍵」はイベント内で入手できるようになっており、親切な作りになっている。
ただし、その入手方法は欠片も優しくない。戸棚の中に長い間閉じ込められ、固まるほど身動きできなくなっていた魔物は、少し可哀想だった。
荷物の中からは、「光矢の刻剣」「癒し身の呪」「翻車魚召喚」など、さまざまな品を入手できる。
対応しているクーポンも多く、遊ぶ度に新しい会話を見ることができるため、何度遊んでも飽きない。
全部を冒険者の荷物袋に入れた場合や、逆に全部を依頼人の荷物袋に入れた場合にどうなるのかも気になっている。
ただ、このシナリオは都度ハーヴェイとの会話を楽しんでしまうため、結末を確かめるためだけに全部を片方へ入れる気には、なかなかなれない。
プレイ記録:2023~2024年・2026年
116)たずねびと
スエロの町に住むカレル=ユジークから、三日も家に帰ってこない小さな妹シャルロットの捜索を頼まれる。
少し目を離した隙に家から出ていき、戻ってこない。
妹を無事に連れ帰るのが最善だが、難しい場合は、彼女が身に付けていた指輪だけでも持ち帰ってほしいという。
カレルが言うには、森で迷子になっているか、誘拐されたか、聖北教徒にやられたか……?
妹の情報を聞き出していると、カレルの発言に矛盾が多いことに気づく。
やり手の空き巣だったり、魔道隠蔽術の達人だったり、しまいには邪教徒なのではないかと疑い始める冒険者たち。
語られる情報から妹の人物像を勝手に膨らませ、次々とツッコミを入れていく様子は、何度遊んでも笑ってしまう。
最終的に、カレルは正式な依頼内容を白状することになる。
しかし、4年前に彼の家族に起こったことや、カレルが死霊術を始めた経緯を知ると、笑ってばかりもいられない。
中でも印象に残るのは、随分と好戦的な司祭と、何かと巻き込まれる父親だ。
特に父親は、終始周囲の事情に振り回されていて気の毒に思う。
初回は妹を兄の元へ返し、ED4に到達した。
兄が司祭に殺害されるのではないかと心配していたので、平穏に終わって安心した。
マルチエンドなので、繰り返し遊んでさまざまな結末を見た。
兄妹の喧嘩も、二人の関係が見える場面として結構好きだった。
ED2とED6は回収できていないが、今のところED7の三方良しの結末が一番好ましい。
報酬を取るか、倫理を取るか、それとも別の道を選ぶか。事情を知った上で、冒険者がどう判断するかを考えるのも楽しいシナリオだった。
プレイ記録:2023~2024年・2026年
117)紅葉をひと狩り
木の葉通りにあるレーベレヒト商会のイルマから、紅葉狩りの手伝いと護衛を頼まれる。
恋人のシラヌイのために、山へ鹿と鳥を狩りに行きたいという。
本来の紅葉狩りを想像していた冒険者たちは、鹿の肉と鳥の足を「紅葉」と呼ぶから紅葉狩りなのだというイルマに、早速翻弄されることになる。
しかし、彼女に翻弄されるのは冒険者だけではない。
「赤く燃えるような紅葉の山が見たい。雪が少し積もっていると最高」と漏らしたばかりに、鹿の赤身と鳥足の料理を山盛りにしてサプライズされることになろうとは、シラヌイも思っていないだろう。
イルマと一緒にいる使用人ハインツ・ベルネットが語る、普段のイルマの様子はかなりのお転婆で可愛らしい。
パーティーメンバー同士やNPCたちの「雑談」は会話の内容が楽しく、つい話題が尽きるまで聞いてしまう。
アルウィンの話もところどころに出てくるので、これまでのシナリオを遊んでいると、登場人物たちのつながりを感じられる。
狩りの対象となる鹿と鳥については、図書館で詳しく調べることができる。
しかし、鳥の絵本のラストはかなり切ないし、鹿はヒグマすら蹴り殺すことがあるという。
山では、卵を守ろうと襲い掛かってきた鳥を狩ることになる。
その後に卵が孵る展開には、図書館で読んだ絵本のような物悲しさがある。孵ったばかりのぷーちゃんが、仇である冒険者たちを回復してくれるのが、また切ない。
道中では、集めた材料を使ってさまざまな料理を作ることができる。
どの料理も見た目からして美味しそうだが、完成した料理を味見した時の反応も楽しめるので、一通り作ってみたくなる。
そのため、いつも狩り過ぎて、最後には森の主に追いかけられている。
紅葉狩りの護衛に来たはずなのに、料理やクラフトに没頭したり、雑談を聞いたりしている時間の方が長い気がする。
今後、イルマとシラヌイの関係がどう変わっていくのか、ほかのシナリオでも見られたら良いと思う。
プレイ記録:2023~2024年・2026年
118)親父さんを探せ!
宿の親父さんが忘れていった資料を届けるよう頼まれる。
宿経営者の寄合所へ向かうと、そこには親父さんによく似ているが、どこか微妙に違う宿の亭主が大勢集まっていた。
果たして、その中から普段お世話になっている親父さんを見つけ出せるのか。
酒場の入り口には、可愛らしい白猫が座っている。
猫をその場から動かすための選択肢が、「ゴブリンの洞窟」に登場する見張りのゴブリンへの対応とほぼ同じなのが笑いを誘う。
初回は白猫に避けてもらおうという気持ちは欠片もなく、どうにか持ち帰れないかと色々試していた。
親父さんの特徴は、「ハゲ」「人間」「地味」。
この三つの条件で候補者を半数ほどまで絞り込み、残った亭主たちの中から、見慣れているはずの親父さんを探すことになる。
インパクトもさることながら、これが地味に難しい。
服装や顔立ちを見比べていると、普段から毎日のように顔を合わせていても、些末な部分までは覚えていないものだと気づかされる。
一度で正解すると技能カードを入手できるが、本当に初見で当てられる人はいるのだろうか。
繰り返し挑戦できる親切な作りになっているので、初回は推測で選んだり、間違えた時の反応を見たりする方が、このシナリオを楽しめる気がする。
プレイ記録:2023年・2026年
119)石像回収の依頼
酔いどれ姫の溜息亭の冒険者ジェイから、古代遺跡で石化した仲間を回収してほしいと頼まれる。
学者の護衛で訪れた遺跡を再調査した際、隠し部屋の先で怪物に遭遇し、仲間たちが石化してしまった。無事に逃げ延びることができたのは、ジェイ一人だけだったという。
同業の冒険者から依頼を受けるのは新鮮だった。
それと同時に、少しの油断や判断の遅れが、そのまま全滅につながりかねないのは他人事とは思えない。
一人だけ逃げ延び、仲間を救おうとするジェイを気の毒に思うものの、報酬の値上げ交渉が楽しすぎて、ついあれこれ吹っ掛けてしまう。この交渉は、成功しても失敗しても会話が面白い。
遺跡に残されているのは、ジェイが想いを寄せる聖職者ルチア、リーダーのトマス、戦士アンガス、魔術師のカペラとコーラルの五人。
道中で自力復帰するカペラを除き、石化の解除や治療によって4人を救出すると、一人につき400SPの追加報酬を受け取ることができる。
救出した冒険者たちは、それぞれの能力を使って探索に協力してくれる。
中でも好きなのは、ジェイに探索させ、彼がこっそりくすねた品を仲間たちが取り上げる会話だ。
救出する順番によって会話が変わるため、何度か遊んでいると、彼らの性格や関係性が少しずつ見えてくる。
石像を回収する依頼のはずが、いつの間にか、よその冒険者パーティーの人間関係を眺めるシナリオになっていた。
全員を救出した後は、追加報酬を現金で受け取るか、同等の物品を選ぶか、あるいはツケにしてあげるかを決められる。
命懸けで仲間を助けに戻ったジェイを見ていると、ツケにしてやりたい気持ちもある。ただ、最初に散々値上げ交渉をした手前、急に人情派になるのも少し妙である。
プレイ記録:2023~2024年・2026年
111)犬の散歩代行
石榴通りで織物商を営む愛犬家、ヴィルム=フォーゲル氏から、指名で犬の散歩を頼まれる。
二時間ほど散歩させれば満足するというが、普段の散歩係が怪我をしてしまったらしい。
人間を引きずり回すほどの大型犬がいるため、冒険者に依頼したという。
詳しく話を聞くと、大型犬は興奮して人を噛めば十中八九死なせてしまうため、手練れの冒険者を選んだのだと分かる。
依頼文にある「実力も名声もある、信頼できる方」という言葉にはそれなりの理由があったのだ。
散歩をするのは、小型犬のピート君とモモちゃん、中型犬のディアナさん、そして超大型犬だが仔犬と思われているベロちゃんの4匹。
三つ首の犬まで犬だと言い切るフォーゲル氏の愛犬家ぶりが良い。
初回は「ばうわう」を連れ歩いていたので、冒険者たちはケルベロス程度では驚かないのではないかと思った。ただ、冒険者が魔物のような犬を連れていることと、一般人が飼っていることは、同じようには考えられないのかもしれない。
散歩係ミリィの怪我の理由は、気になっていたイケメンからデートに誘われ、舞い上がっていたら階段から転げ落ちたことだった。
怪我の具合よりも、そのイケメンがこれまでのシナリオに登場していた人物なのかどうかの方が気になってしまった。
【石像回収の依頼】や紅葉をひと狩り」を先に遊んでいると、登場人物や会話をさらに楽しめる。
散歩中にもさまざまな出来事が重なり、ベテラン冒険者でなければ対処が難しそうな場面が何度も訪れるものの、戦闘の前には忠告が入るなど、親切な作りになっている。
犬の散歩を頼まれただけのはずなのに、実際に求められているのは犬と犬のような魔物の散歩である。
それでもフォーゲル氏にとっては、どの犬もただの可愛い愛犬なのだろう。
プレイ記録:2023~2024年・2026年
120)教会裏手にて
リューンの聖北教会の裏庭では、回復や味方の強化魔法が不得意で、「神官のくせに」と揶揄される者たちのために、少し変わった神官向けの魔法を広める活動が行われている。
技能を教えてくれるのは、好戦的な神官、慎重な神官、こずるい神官の三人。
それぞれの性格に合った技能が用意されており、リューンで購入できる技能を、より戦闘向けに特化させたもののようにも感じる。
一人の神官から話を聞いていると、ほかの神官たちも会話に加わってくる。
そろって「神官らしくない神官」と見られているからこそ、三人の間には独特の仲間意識があるのかもしれない。
中でも気に入っているのは、こずるい神官から教わる「死人に口なし」だが、使い勝手の良さでは「見えざる手」も負けてはいない。
盗賊が鍵を開けたり、相手の装備を外したりしても問題ないが、神官が同じことをしていれば、確かに周囲から批判されそうである。
好戦的な神官や慎重な神官は、その性格が戦い方の違いとして受け取られそうだ。
それに比べると、こずるい神官が一番聖職者としては生きにくいのではないだろうか。
プレイ記録:2023~2024年・2026年
121)うちの王子知りませんか?
北方の荒野にある、小さな都市国家バザルトに定住した先輩冒険者へ、荷物を届けるところから始まる。
依頼人のバルトルト・ウルバンは57歳の男性で、かつて同じ宿に所属していた元冒険者。今はこの国の騎士になっている。
荷物を届けると、町へ出たまま戻らない14歳の王子を探し、城へ連れ帰ってほしいと頼まれる。
王子が戻らないと聞いても、誘拐が真っ先に思い浮かばないほど、バザルトは平和な国である。
王様も王子も姫様も城下町を堂々と歩き回り、住民たちとも顔見知りになっているという距離の近さが好ましい。
登場人物の設定や会話も楽しく、何度も話を聞いたり、人物を鑑定したりすると、それぞれの性格や関係が少しずつ見えてくる。
依頼人も住民ものんびりしており、この町にずっと滞在したいと思うほど愛着が湧く。
町のあちこちでは、さまざまなお遣いを頼まれる。
飼い猫のセムラちゃんを捕まえたり、王様と手合わせしたり、本の題名を大声で叫んで返してもらったりと、内容はどれも賑やかで楽しい。
こうした小さなお遣いを重ねるうちに、町の人々の暮らしや、バザルト全体の雰囲気が伝わってくる。
「いたわり茶」の由来をはじめ、住民たちの雑談にも細かな背景があり、つい話題が尽きるまで聞いてしまう。
露店では、あとから商品が割引されることを知らず、初回は先に全部買ってしまった。
不審人物に遭遇した際は、暴力で止めるか、助けを呼ぶか、見送るかを選べる。どの選択肢でも会話が楽しく、周回して全部見たくなる。
王子を見つけた後の選択肢では、ミケルを連れ込むこともできるし、王子としての自覚を促すこともできる。
初回はミケルを連れ込む選択をしたが、周回してほかの選択肢もすべて回収した。
「霊剣椿落とし」「火噴き山賛美歌」「玄冥の指輪」など、手に入るものも多い。
王子を探す依頼のはずなのに、気づけばこの国の雰囲気を堪能している。
プレイ記録:2023年~2026年
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